続きまして、第2条、債務負担行為の補正でございます。2件の債務負担行為を追加するものでございます。詳細につきましては、後ほどご説明をさせていただきます。
以上で、議案書についてのご説明を終わらせていただきます。
続きまして、
歳入歳出予算事業等の詳細につきましてご説明をさせていただきます。タブレット内の別ファイル、令和元年度補正予算案の概要(第1次)という資料をご覧いただきたいと存じます。
まず、1ページをご覧ください。今回の第1次補正予算案の基本的な考え方といたしましては、区政の継続性を重視した当初予算に加え、新たな行政課題への対応及び当初予算編成後に生じた状況の変化に速やかに対応するといった視点を踏まえ、予算を計上いたしました。
補正予算の規模につきましては、議案書で説明いたしましたとおり、歳入歳出当初予算2,818億9,242万2,000円に、今回の歳入歳出補正額68億8,877万2,000円を追加し、補正後の予算額を2,887億8,119万4,000円とするものでございます。
補正予算の財源といたしましては、国庫支出金につきまして、
母子家庭等対策総合支援事業費、
プレミアム付商品券事業費等9億1,561万5,000円。都支出金につきまして、医療保健政策区
市町村包括補助事業、
学校屋内体育施設空調設置支援事業等1億5,585万円。繰入金につきまして、財政基金繰入金58億1,730万7,000円を計上いたしました。
次に、歳出事業の概要についてご説明をさせていただきます。2ページの
補正予算歳出事業概要をご覧いただきたいと存じます。
まず、第2款総務費でございます。補正予算額は51億3,920万9,000円でございます。主な事業といたしまして、1番、防災意識の高揚及び防災行動力の向上では、マイ・
タイムライン講習会の拡充に係る経費513万円。3番、備蓄物品の維持管理では、
自動ラップ式トイレの拡充に係る経費6,516万3,000円。4番、
防災対策基金積立金では、防災対策基金の創設50億円などを主な事業として計上いたしました。
続きまして、第3款福祉費でございます。補正予算額は4,071万円でございます。主な事業といたしまして、1番、おおた子どもの
生活応援プラン推進事業では、(仮称)子どもの
長期休暇応援プロジェクト実施に係る経費391万7,000円。3番、児童相談所施設の整備では、(仮称)大田区
子ども家庭総合支援センター基本設計・実施設計等委託2,520万円などを計上いたしました。
続きまして、第4款衛生費でございます。補正予算額は1億1,396万円でございます。主な事業といたしまして、1番、健康ポイント事業では、(仮称)おおた健康ポイント事業に係る経費8,713万2,000円。3番、AED関連事業では、24時間使用可能なAEDの設置拡大284万4,000円。4番、5番、胃がん検診、がん検診等事務費では、新成人ピロリ菌検査に係る経費等1,866万4,000円。6番、自殺総合対策では、インターネットを活用した自殺防止相談事業485万7,000円などを計上いたしました。
続きまして、第5款産業経済費でございます。補正予算額は9億5,294万円でございます。主な事業といたしまして、1番、
プレミアム付商品券事業では、低所得者・子育て世帯向けの
プレミアム付商品券事業9億402万2,000円。3番、産業支援施設その他の維持管理費では、旧羽田旭小学校敷地の整備に係る経費4,672万8,000円などを計上いたしました。
続きまして、第6款土木費でございます。補正予算額は299万2,000円でございます。1番、道路改良事業では、無
電柱化基本方針策定に係る経費299万2,000円を計上いたしました。
続きまして、第9款教育費でございます。補正予算額は6億3,896万1,000円でございます。1番、
教科用システム等運用では、第二次全
小中学校ICT環境整備3億5,759万3,000円。2番から4番、学習及び事務等では、小中学校への暑さ対策用大型冷風機(追加配備)に係る経費3,213万円。5番、校舎造修(中学校費)では、
中学校体育館等空調設備工事2億4,923万8,000円を計上いたしました。
4ページ、5ページをご覧ください。歳入・歳出(款別)一覧となってございます。
6ページをご覧ください。歳入(財源別)・歳出(性質別)一覧でございます。歳入につきましては、使途について制限がない一般財源と、特定の事業に充当する特定財源に区分して集計したものでございます。歳出につきましては、経費を義務的経費、投資的経費、その他の経費の性質別に区分して集計したものでございます。
7ページをご覧ください。債務負担行為補正でございます。(仮称)大田区
子ども家庭総合支援センター新築工事に伴う基本設計・実施設計等委託及び補助線街路第27号線(大森北)既存ストック活用無電柱化事業につきまして、債務負担行為を追加するものでございます。
8ページをご覧ください。積立基金の状況でございます。今回の補正に伴い、財政基金から58億1,730万7,000円を取り崩して一般会計に繰り入れ、防災対策基金へ50億円積み立てるものでございます。このことにより、1次補正後の基金残高は、合計で1,105億3,876万3,000円となる見込みでございます。
○松原〔秀〕 委員長 以上をもって説明を終わります。
質疑に入る前に委員の皆様に申し上げます。電光表示には、各会派の残時間を表示いたします。なお、会派の呼称は、略称とさせていただきますので、ご了承願います。
次に、理事者の皆様に申し上げます。質疑時間には、答弁も含まれますので、簡潔、明瞭な答弁をお願いいたします。また、答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきりと告げた上で答弁していただきますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、質疑に入ります。
質疑の申し出があった会派について、申し合わせ事項に基づき、順次これを許します。
それでは、自民、質疑願います。
◆長野 委員
自由民主党大田区民連合の長野元祐です。松原区政4期目にあたり、自由民主党を代表して、今まで以上に能動的な行政運営を期待し、能動性とシティブランドの確立、プロモーションの観点を軸に質問をいたします。
財政投入を企図した、いわゆる大きな行政区を目指すのではなく、柔軟で機動的な施策立案、実施を職員の皆さんお一人おひとりが意識をし、効率よく、かつ先進的な取り組みへの感受性を区役所全体で高めていくことを求めるものでございます。
昭和の思い出に浸っている時代は終わりました。国際化、超少子高齢社会、経済・商業の
高度ネットワーク化など急速な変化に対応し、他自体との競争にも打ち勝つため、能動性、臨機応変、創意工夫、先進性が新しい時代の大田区政に求められる姿であり、行政のみならず区のブランドイメージの転換を図っていただきたいと思います。
大田区は、ブランドイメージとして「ユニークおおた」というキャッチフレーズを掲げ、
シティプロモーション活動に力を入れ始めたところでございますが、
プロモーション活動こそ能動性が求められる最たるものであると考えます。
率直に申し上げれば、区民も、大田区のブランドイメージについては漠としたものしか持ち合わせていないように思いますし、これを全国規模に具体的なイメージを持って広めていくことは、一朝一夕にできるものではありません。大田区の持っている自己イメージと、外から見られている大田区のイメージが合致しているかという課題もありますが、一にも、二にも大田区のイメージを発信し、認知度を高めていくためには、積極的に外に発信をしていく必要がございます。
シティプロモーションの分野においては、都市部よりも地方都市のほうが着目が早く、一日の長があるように思います。ぜひとも足を運んで、
プロモーション手法だけではなく、担当されている職員のキャラクター、首長のセンスなども視察してきていただくことも望みます。
後ほどまた出てまいりますが、青森県の日本海に面した西津軽群深浦町は、人口8,400人ほどの漁港と白神山地を擁する小規模な自治体でありますが、マグロの水揚げが盛んであり、まちとしてもブランドとして売り出していこうと取り組んでおります。
この広報を担当する観光課の係長が、「鈴木マグロー」さんという方で、深浦のマグロをブランド化し、売り出していきたいと町長にプレゼンをしたところ、町長の一命で、あしたから鈴木マグローと名乗れということになったそうです。非常に精力的な方で、小さなまちでお互いにライバル意識に燃えていた飲食店同士をまとめ上げ、東北のご当地グルメのメルクマールをつくった方でもございます。深浦町は、まちのウェブサイトも観光協会のサイトも大変見やすく、充実しており、ぜひ我が区の
シティプロモーションや観光、商業の担当の職員の方も参考にしていただきたいと思います。
大田区としては、区の
シティプロモーションを推進していく上で、参考にしている自治体や取り組みなどはありますでしょうか。
◎市野 企画経営部長 効果的な
シティプロモーションを実施し、成果を上げている自治体の一例といたしまして、佐賀市の地域固有の資源である
魚類を活用した地域経済活性化の取り組みや、北海道大樹町の「ロケットの町」としてのイメージ定着化など、ほかにはない地域の魅力を広く発信しております。また、川崎市や品川区など、都市部の自治体におきましては、SNSや動画を活用し、効果的に自治体のプロモーションにつなげてございます。
各自治体の取り組みは、認知度向上やイメージの定着化、地域経済活性化、人口減少対策など、課題や目的はそれぞれ異なるものの、プロモーションの手法として参考にすべき部分も多くございます。
引き続き、他の自治体の取り組みなど情報収集に努めるとともに、積極的に区の
シティプロモーションを推進してまいります。
◆長野 委員 行政の広報といいますと、紙媒体からデジタルへの転換が図られておりますが、サイトでの広報というのはイメージしているよりもずっと受け身の広報でございまして、関心のある方に検索をしてもらうなり、SNSであればフォローをしてもらうなりというアクションを起こしてもらって初めて成り立つものであります。
大田区の行う各種事業やイベント、施策などの広報においては、区報、区のホームページ、掲示板への掲出、関係団体、町会・自治会への周知などの手法がとられておりますが、能動的に情報を届ける手法、つまりは企業勤めの若年層や学生など、従来のルートではリーチできていない区民を対象として情報を提供する方法について質問をいたします。
現在、公民連携の取り組みとして大手企業と協定を結び、区の事業への協力をいただいているところでございますが、個別事業の協力、提携に加えまして、包括的に企業の持つ広報力、広報ネットワークを活用し、施策展開に生かせないか検討していただきたいと思います。企業が構築している広報ネットワーク、もしくは社内報やポータルなどを活用することで、行政がリーチしにくい企業勤め層、または居住は区外である区内在勤者に、イベント広報やアンケート、
パブリックコメントの案内など、区の広報とは違う階層、チャンネルでの周知が可能になります。言うなれば、企業広告を区の発行物に掲載するのと逆の発想でございます。
多様な層の意見や要望を集約したり、アプローチする手段を確保することは、これからの区政運営にとって大変重要なことでございますので、今まで大田区としては不得手としていた部分でございますが、個別提携事業以外にも企業の広報ネットワークを活用した公民の連携を進めていただくことが必要と考えますがいかがでしょうか。
◎市野 企画経営部長 区独自の取り組みに加えまして、企業が持つ資源やアイデア、ネットワーク等の強みを生かし連携事業を実施していくことは、多様な地域課題の解決や区民サービスのさらなる向上につながるものと考えてございます。
また、多様な層の意見や要望をできるだけ多くの区民の皆様からお寄せいただき、区政運営のさらなる向上を図るためには、区政情報を適切かつ効果的に発信していくことが重要でございます。
引き続き、様々な団体との対話を重ね、公民連携の拡充を図り、委員お話しの企業の広報ネットワークなどを活用した多様な情報発信や区政への幅広い区民ニーズの反映に、能動的に取り組んでまいります。
◆長野 委員 広報の連携という点で、もう1点続けさせていただきます。本年9月7日、勝海舟記念館がいよいよ開館となりますが、この記念館に関する広報についてでございます。
我が国初となる勝海舟を記念する資料館となるわけですが、この広報についても、より積極的な広報体制の構築を求めます。大田区、特に調布地区における中心的な観光集客施設となりますので、開館直後はもちろんですが、開館後も継続的に全国からの歴史ファンを集客するために、他自治体にあります歴史、特に幕末明治期に関連する記念館や資料館、史跡や保存会、顕彰会などと連携をし、勝海舟記念館の資料を取扱っていただくように働きかけをお願いいたします。
特に、地方の海舟記念館と同等規模の記念館、資料館に訪れる方々は、歴史愛好家の中でも特に熱心で能動的な層だと思われますので、そういった方々にパンフレットを手にとっていただき、来訪につなげていくことが、地道ではありますが有効な広報手段になると考えます。
他自治体も含め、ほかの記念館、資料館との連携について、区の考えをお聞かせください。あわせて、開館時はもちろん広報に力を入れると思いますが、少し時間が経過した後の恒常的な広報体制について、どのように考えているかお聞かせください。
◎町田 スポーツ・文化担当部長 他の自治体や全国の歴史資料館や記念館と連携し、相乗効果を生み出す関係を築くことは重要であると考えてございます。
昨年は、鹿児島市や鹿児島市内の博物館を訪問し、勝海舟記念館を紹介し、今後の関係づくりにつき意見交換をいたしてまいりました。本年は、まず8月下旬から9月にかけまして、勝海舟にゆかりのある大田区、墨田区、港区が、3区共同で勝海舟の企画展を行う予定でございます。
今後とも、勝海舟にゆかりのある自治体や歴史館、記念館との連携をとり、情報交換をはじめ勝海舟記念館のPR冊子を置いていただくなど、関係づくりに努めてまいりたいと思っております。
次に、記念館オープン当初は、多くの方々が来館されるものと想定しておりますが、その後も継続的に来館いただくために、定期的な企画展の展示がえなどについて検討をしてまいります。
また、記念館に興味を持ってもらえるホームページをつくるとともに、最新の情報をアップし、区民をはじめ全国の勝海舟ファンにご覧いただけるような情報発信をしてまいります。
そのほか、記念館の2階では、AR機能を施し、スマートフォンをかざすと立体的に勝海舟があらわれ解説をしてくれるなど、楽しい展示方法についても検討をしております。
勝海舟の魅力を広くアピールするには、広聴広報課が進めている
シティプロモーション戦略と連携するとともに、記念館独自の講演会を開くなど、継続的なPRに努めてまいります。
◆長野 委員 区の広報については、事業所管課ごとの単体の広報ではなく、シティブランドに形成するという意味では、複合的に、また、恒常的に行うことが重要であると考えます。
大田区は、23区で唯一区立武道場がない自治体でございましたが、前期、前々期より要望させていただいておりますが、武道人口の多い我が区としても、しっかりと実用的、かつほかにない特色ある武道場の建設を改めてお願いをいたします。大田区独自の特色ある武道場として、武道のみならず、華道や茶道、書道、日本舞踊などの伝統文化にも活用でき、競技使用のみならず、体験型観光施設も含めた武道と文化の発信拠点となるような施設にすることを要望いたします。
文武両道に秀でた勝海舟を顕彰する名称やしつらえにすることで、全国ほかにないユニークな武道場として
シティプロモーションに資すると考えますが、大田区立武道館の建設について、考えをお聞かせください。
◎町田 スポーツ・文化担当部長 武道に取り組むことは、体力の向上、青少年の健全育成に寄与するだけでなく、日本の伝統文化として外国人の興味も高いことから、国際交流を進めていく上でも有効であると考えております。
武道場につきましては、健全な青少年育成及びスポーツ振興の推進に向けて、より多くの区民の皆様が武道に親しむことができるよう、これまで武道場の必要性について検討を進めてまいりました。さらに一歩進め、武道場、武道館の実現可能性について、委員お話しの施設の有効活用を含め、専門家の意見を聞き、庁内関係部署による具体的な検討を進めてまいります。
◆長野 委員 具体的なお話が出てまいりまして、非常に大きく一歩進んだものと認識をしております。
武道と対になる文に関連して、図書館行政についてお伺いをいたします。
近年は、図書館の役割、位置づけが変化し、今までのように本を読む、貸し出しをするという受け身の施設から、積極的に情報発信をし、魅力と特色のある地域の読書文化、知的探求の拠点として自治体によって様々な取り組みがなされております。
大田区は、早期の地域館整備など、かつてはすぐれて能動的な図書館行政を進めてまいりましたが、近年の活字文化の停滞やライフスタイルの変化、また、自治体サービスとしての図書館のあり方の変化などへの対応については模索している最中のように感じます。
駅直結の池上図書館の移転開設やICタグの導入など、各種取り組みもなされておりますが、今後中央館をどのようなコンセプトで整備をしていくのか、将来の図書館に求められるものをどのように捉えているのか、今後の図書館行政のビジョンについてお示しください。
◎後藤 教育総務部長 区には16の図書館があり、他区に比べて施設数が多く、中でも地域図書館の規模や蔵書数が充実しております。一方で、図書館サービス網の中核として、地域図書館を統括する中央館としての大田図書館は、施設規模や蔵書数、バリアフリーへの対応などに課題がございます。
近年の
インターネット社会の進展やライフスタイルの多様化に伴い、開館時間の延長や学習、集いの場としての充実など、区民が図書館に求めるサービスは変化しております。これらのニーズに的確に応えるためにも、中央館としての企画立案機能の強化を図り、先進的な取り組みを進めていくことが不可欠と考えております。
引き続き、ICタグ化の効率的運用や
サテライト型図書館サービスの導入、収蔵・保存機能を高めた蔵書管理の充実など、図書館を知の拠点として機能強化を図り、区民にとって身近に利用できる親しみのある図書館行政を目指してまいります。
◆長野 委員 続いて、文化・芸術施策について質問をいたします。文化・芸術活動といいましても、いろいろなジャンル、レベルがあり、ひとくくりにするのは難しいのですが、今回は文化センターなどで行われている地域活動としての文化活動や、アプリコや区民プラザなどで行われているコンサートなどの興行的な活動ではなく、アート、特に若者の創作・表現活動としての文化・芸術活動に焦点を当ててお話をしたいと思います。
ご存じのとおり、蒲田は松竹の撮影所があり、京浜東北線の発車チャイムにも使われている往年の名曲「蒲田行進曲」の中でも「春の蒲田、花咲く蒲田、キネマの都、空に描く白日の夢、あふるる処、輝く緑さえ、とこしえの憧れに、生くる蒲田、若き蒲田、キネマの都」と歌われているように、若者たちが表現活動に青春をささげた歴史的な土壌があります。また、中小町工場は工業製品ではありますが、ものづくりという点では創作活動にも親和性があります。
ものづくりと芸術文化のまちというのは、大田区に古くからあるエリアイメージであり、これを復活、また、洗練させていくことが大田区ならではシティブランドであると思います。
区内でも多くの芸術家の方が活動しておりますが、ほかの地域からもそういったアーティストを呼び寄せることを目指し、空き工場、空き倉庫の稽古場、ギャラリーへの活用や発表の機会提供、これはまちかどギャラリーや路上、公園でのパフォーマンス、休日の校庭開放の利用など、様々なやり方があると思いますが、表現・創作活動を行う方々にとって、魅力を高める創意工夫をお願いしたいと思います。
地域の特色を生かした大田区の新しい芸術・文化活動の創造・隆盛について、いかがお考えでしょうか。
◎町田 スポーツ・文化担当部長 新たな文化・芸術を創造するには、区内の特徴的な文化を発掘することや、ものづくりなど他の領域と連携するなど、新たな付加価値を文化に結びつけていく展開が必要と考えております。
大田区は、創造性をエネルギーとして発展してきたまちであり、その源泉は引き継がれており、区内には既存の概念にとらわれず、何かを表現したいとの思いを持つ原石となる若手芸術家や、いまひとつの後押しがあれば世に出られる逸材も多くいるものと想定しております。このような若者を支援することは、文化創造の方向性の一つと考えております。
今後は、既存の文化芸術分野に加え、メディア・アートなどをはじめ新たに生み出される芸術、若者が持つ創造性を喚起する多様な活動が活性化されるよう文化振興協会と協力し、新たな大田区の芸術・文化を支援する仕組みづくりについて検討をしてまいります。
◆長野 委員 中央線沿線地域は、芸術・文化活動を含め若者文化が根づき、まちの活力となっておりまして、私もそういった活動団体を視察したりもしましたが、やはりこれは大学の立地などもあり、学生が多いというところによる部分も大きいと感じております。
区内にも東工大や日本工学院などがありますが、地方から東京に出てきた学生にとって住みよいまち、魅力的なまちを目指すことも重要であると考えます。これまで、大田区の言う、住みよいまちづくりというのは、子育て世代や高齢世代を指向している傾向が強く見受けられましたが、学生にとっての魅力的なまちづくりについて、ご所見をお聞かせください。
◎町田 スポーツ・文化担当部長 大田区が、学生など若者にとって魅力的なまちとなる上で、文化振興は重要な要素の一つになると考えております。魅力あるまちづくりを進めるには、若者にそれぞれの地域が持つ歴史や特長を理解してもらうことや、若者が持つ発想力やエネルギーをまちが受け入れる雰囲気の醸成など、環境整備が重要となってまいります。
平成30年3月に行った大田区文化振興のためのアンケート調査において、若い世代では、文化活動をしたことがない割合や区立施設以外で芸術作品を鑑賞した割合がいずれも高く、若者へ区の文化の働きかけや情報発信が課題となってございます。
今後は、若者に大田区の文化に接し、知ることができるよう広報の充実や、ゲーム音楽を楽しむゲームタクトなど、若者向けのイベントの企画の検討、さらに区では取り上げることの少なかった民間ギャラリー等の先進的な情報を官民連携して発信し、若者の興味を引く活動への取り組みにより、魅力的なまちづくりに寄与してまいります。
◆長野 委員 創造・ものづくりのまちというのは、大田区のシティブランドのかなめになると思いますが、次世代のものづくり産業構造について質問をいたします。
大田区の産業集積の強みとするものづくりは、主として比較的小規模事業所による工業製品または部品の製造を指してきましたが、最盛期1万2,000軒を誇った町工場は3,000軒台まで減少し、ものづくりのまちというイメージを冠する我が区としては、大変憂慮される状況となってきております。
昨今の市場環境や就労状況、人口動態を見ますと、ここから減少を上回るペースで町工場が増加するということは残念ながら考えづらいと言わざるを得ません。しかしながら、現在においてのものづくりとは、工業製品に限るものではありません。CG、デザイン、アートなどのクリエイター産業、アニメ、ゲーム、映像作品などのコンテンツ産業などは、まさしくIT時代のものづくり産業でございまして、先ほどの文化・芸術産業や学生に魅力的なまちづくりにも大きく寄与するものであります。
また、工業製品においても、デザイン性を取り入れたり、創作物の具現化など、相乗効果も見込めるものでもあります。同じ品質の製品でもパッケージを高級なものにするだけで値段が何倍にもなるように、デザイン産業は従来の製品にも非常に大きな付加価値をもたらします。
これらは、大きな事業敷地や資材が必要なわけではなく、従来の工場跡地で十分に置きかえが可能です。羽田空港を擁する地域として、海外人材との交流も大田区の強みとなります。大田区の次世代のものづくり産業とも言えるクリエイター産業、コンテンツ産業の集積、誘致に向けた取り組みについていかがお考えでしょうか。
◎飯嶋 産業経済部長 デザイン、ファッション、ゲーム、映像等のコンテンツの分野で活躍するクリエイティブ産業については、我が国は世界をリードする立場にあり、今後も発展が期待される分野です。
羽田空港を有し、東京工業大学や日本工学院などに代表される国内有数のクリエイター養成の場でもある大田区においても、こうした産業の育成及び発展に向けた取り組みを進めていくことは重要と考えております。
産業の多様化、異業種交流の推進は新たな価値の創造にもつながり、大田区の産業発展にも寄与するため、今後はクリエイティブ産業の誘致に努めるとともに、ものづくり産業とのコラボレーションについての検討も進めてまいります。
◆長野 委員 ちなみに、クリエイター産業、コンテンツ産業はものづくりとはいうものの、工業というくくりにするには違和感があります。サービス業や商業とも違うと思うのですが、大田区での所管は工業担当になるのでしょうか。もし現状で相当する部署がないのであれば、これからの大田区のシティイメージを形成する成長産業としても大きく飛躍が期待できる分野でありますので、専門部署を立ち上げてもよいのではないかと考えますがいかがでしょうか。
◎飯嶋 産業経済部長 クリエイティブ産業を所管する部署は、現在の組織体制においては、個別ケースの内容に応じ、関係部局が緊密な連携のもと、柔軟な対応をとることとしております。
委員ご提案のクリエイティブ産業を所管する専門部署の設置につきましては、産業を取り巻く社会情勢や経済情勢などを注視しつつ、誘致を進める中で、その必要性について引き続き研究をしてまいります。
◆長野 委員 次の時代も大田区がものづくりのまちという名を掲げ続けるにあたり、従来の製造業としてのものづくりと、クリエイター産業、コンテンツ産業を融合した大田区ならではの先端ものづくりエリアの形成こそが活路であると考えますが、いかがでしょうか。
◎飯嶋 産業経済部長 委員お話しのクリエイティブ産業とものづくり産業との融合により想定される効果といたしまして、ハード面ではクリエイターによるデザイン強化を通じ、ものづくり製品の商品化及び製品競争力が図られ、ソフト面では最新のファッションや映像等のコンテンツ強化により、都市ブランディングが図られることなどがあげられます。このように双方が融合することによってもたらされる相乗効果は大きいと考えます。
国内有数のものづくり産業が集積し、都内最多の商店街を有する大田区において、クリエイティブ産業の集積が進めば、世界的に見ても文化・産業の両面において発信力のある都市となることが期待できます。
区といたしましては、ものづくり産業における産業集積の維持発展とあわせ、クリエイティブ産業をはじめとする異業種間での連携を深めることが、委員ご提案の先端ものづくりエリアの形成につながってくるものと考えます。
令和という新しい時代を迎え、未来を見据えた大田区産業の新たな取り組みについて、引き続き検討してまいります。
◆長野 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。現在、大田区は新しい時代に向けて区の経済活動の屋台骨である産業振興構想を策定中でありますが、その進捗と今後の見通しをお示しください。
◎飯嶋 産業経済部長 (仮称)大田区産業振興構想策定の進捗状況でございますが、同構想の基礎的資料として活用するため、大田区のものづくり産業等実態調査を実施いたします。事業候補者選定のプロポーザルは終了しており、現在、その候補者と契約に向けた協議を進めているところです。
また、ものづくり産業以外の多様な業種の実態調査も実施の予定で、現在事業候補者選定のプロポーザル実施に向け、鋭意準備を進めているところでございます。
今後は、年度内にこれらの調査結果の集約・分析を行うとともに、有識者や産業団体関係者等で構成いたします検討委員会でのご審議を賜りながら、令和2年度末の構想策定を目指してまいります。
なお、構想策定にあたりましては、次期基本計画や改訂中の大田区都市計画マスタープランとの整合性を図りながら進めてまいります。
次に、幼児教育・保育の無償化、高等教育の無償化についてお聞きをいたします。
消費税の2%アップにより、今年の10月からは幼児教育・保育の無償化、そして来年4月からは所得の低い世帯を対象にした大学、専門学校など高等教育の無償化が開始をいたします。いずれも10月の消費税率10%への引き上げによる増収分が財源で、それを実施するための法律が今月10日の参議院本会議で、政府与党と一部の野党の賛成多数で可決、成立をいたしました。
幼保無償化は3歳から5歳児、就学前3年間は全世帯、0歳から2歳児は住民税非課税世帯を対象に、認可保育所などの利用料が無料になります。全国で約300万人の子どもがその恩恵を受ける見通しです。ただ、東京都は、それ以前に独自で幼児教育の無償化を進めております。この国における保育の無償化を既に進めている東京都の子育て支援制度に当てはめると、0歳から2歳児までのスキームはどのようになりますか、お知らせください。
◎水井 こども家庭部長 幼児教育の無償化は、委員お話しのとおり、0歳児から2歳児までについては、保育の必要性のある住民税非課税世帯の子どもが対象となります。東京都は無償化に合わせて、認可保育所等の保護者負担軽減の強化と認可保育園の多子世帯に対する新たな支援等を実施するとしています。
まず、認証保育所等の保護者負担軽減の強化ですが、国の無償化では保育の必要性の認定を受けた0歳児から2歳児について認証保育所等の保育料を非課税世帯のみ月額4万2,000円を限度として無償化しますが、東京都は、この限度額を月額6万7,000円までとするほか、これまで都独自に保育料の負担軽減を行ってきた課税世帯のうち、多子世帯の第2子以降についての負担軽減額を引き上げるとしています。
次に、認可保育園の多子世帯に対する新たな支援ですが、現在の子ども・子育て支援法のもとでは、認可保育園を利用する多子世帯の保育料負担の軽減措置として、年収約360万円未満の世帯については、第1子の年齢にかかわらず、第2子以降の保育料が減額となりますが、年収約360万円以上の世帯については、第1子が小学生以上の場合、第2子に対する保育料の減額はなく、第3子以降が減額の対象とされております。
東京都は、第1子が小学生以上の場合に、第2子の保育料の減額がない年収約360万円以上の世帯についても第1子の年齢にかかわらず、第2子以降の保育料を減額する独自の支援を開始するとしており、課税世帯も含めて0歳児から2歳児までがいる世帯にも適用がございます。
◆勝亦 委員 また、この無償化により、全国では約300万人がその恩恵を受けると推測していますが、区ではどのぐらいの方がその恩恵を受けると推測できますでしょうか。
◎水井 こども家庭部長 平成31年4月のおおよその人数で申し上げますと、本区では、保育施設約8,800人、幼稚園約8,200人、合計約1万7,000人の児童が対象になるものと見込んでございます。
◆勝亦 委員 保育所などの待機児童がいる世帯にも恩恵が及ぶよう、自民・公明は政府に訴え、ベビーシッターなどを含む認可外保育施設や幼稚園の預かり保育も補助額に上限を設けて無償化されます。
給食費は、無償化後も引き続き自己負担ですが、おかずなどの副食費の免除対象は現在の生活保護世帯などから、年収360万円未満世帯にまで広がります。この副食費の免除対象拡大をすることによって、本区ではその拡大する前と後とでは、どのぐらいの人数拡大になると予測しておりますでしょうか。
◎水井 こども家庭部長 国は、現行制度では給食の食材料費について実費徴収または保育料の一部として保護者が負担してきており、幼児教育無償化にあたってもこれまでと変わらず、主食費、副食費ともに施設による実費徴収とし、無償化の対象に含めないとしております。
ただし、低所得者世帯に対する配慮として、従前から副食費が免除されていた生活保護世帯や多子世帯の第3子以降等に加え、今回新たに年収360万円未満相当の世帯についても副食費の免除対象とするとしております。
この措置により、これまでの488人に加え、新たに395人が副食費の免除対象となることになりますが、本区の場合には給食の食材料費について実費徴収を行ってこなかったことから、6,631人が新たに実費徴収の対象となるものと見込んでおります。
◆勝亦 委員 国では、副食費を月額4,500円としており、今回大田区が給食費の実費徴収を行った場合、区の保育料階層で見ますと、国の免除の対象とならない3歳から5歳児の区民税所得割が3万円以上5万円未満世帯のC3階層では、4,000円の保育料に対して副食費だけでも4,500円を新たに負担する必要が生じます。こうした給食費を新たに負担する必要が生じる世帯は、全体の9割近くになると見込まれます。
無償化の対象世帯のうち、区所得階層C3階層以上の世帯は、無償化された保育料よりも高い給食費を負担する逆転現象が生じるなど、無償化の恩恵を十分に受けられない世帯や無償化を実感できない世帯が多く出てくるのではと感じます。
他の自治体での対応を見ると、既に給食費の無償化を表明している区もあるほか、23区の多くが同様の対応を検討しているとの話も耳にしています。
ついては、大田区としても他区に遅れをとることのないよう、全ての利用者が無償化になってよかったと実感できる支援のあり方をぜひとも検討してもらいたいと考え、要望をいたします。
政府は、この無償化以外でも待機児童解消への施策も強力に推進いたします。2020年度末までの3年間で、新たに約32万人分の保育の受け皿を拡大する方針を掲げ、保育所の新設を進める予定です。
一方、高等教育の無償化、給付型奨学金や授業料減免を対象者、金額とも大幅に拡充されます。奨学金は私立大学の自宅外生で最大約91万円、減免は私立大学生で約70万円、この制度は来年度から新入生だけではなく、在学生も対象になります。無償化になるのは、住民税非課税世帯とそれに準じる世帯の学生、奨学金や減免の額は世帯収入で段階的に差がつけられます。さらに、在学中に家計が急変した場合、要件を満たすと判断されれば速やかに支援が受けられます。
今後は、公明党は政府に対し、今回の高等教育の無償化の対象にならない中間所得層でも負担軽減を図るよう訴えており、政府は検討を継続するとしています。
このように、今後、国において奨学金の拡充などがさらに進められます。その上で、基礎的自治体である大田区は、今後さらなる福祉の向上を目指す使命があります。
現在行っている大田区の奨学金など、今後さらなる拡充を要望いたしますが、区の見解をお示しください。
◎西山 福祉支援担当部長 区は、奨学金貸付事業につきまして、利用者の方にとってより使いやすい制度となるよう、これまでに不断に見直しを重ねてまいりました。
国における高等教育の無償化等が進められている中、区には地域の実情を踏まえた取り組みが求められています。厚生労働省の推計では、介護人材は2025年度に37.7万人不足すると言われております。一方、福祉関連職に従事する方の給与水準は他業種と比較して低い傾向にあります。区内の多くの施設、事業所でも人材の確保は困難になっているという声も伺っております。
区としましては、介護職など区内で活躍する福祉人材の確保、育成につながるよう、奨学金の返還を一部免除する制度について具体的な検討を進めてまいります。
◆勝亦 委員 今回の教育無償化には、子育て世帯の経済的負担の軽減を通じて、少子化に歯どめをかけていくとともに、家庭の経済的事情による教育格差をなくし、貧困の連鎖を断っていく狙いがあります。
政府の調査によると、若い子育て世帯が理想の子どもの数を持たない最大の理由は、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからであり、教育の負担軽減を求める声が多いのが現状であります。
また、国際的にも、幼児教育の無償化は英国やフランス、韓国では既に実施をされております。高等教育の無償化に関しては、所得の低い世帯ほど大学進学率が低いという実態があり、こうしたことからも教育無償化による将来の貧困を防いでいけると政府は考えております。
この幼保無償化の法律と高等教育の無償化、両方に一部の野党も賛成する中、立憲民主党と共産党が反対をいたしました。反対の理由としては、2党とも待機児童解消のほうが先だと言っていたようです。
立憲民主党に至っては、待機児童解消まで無償化を延期する修正案まで提出しましたが、解消の時期を聞かれても、現時点では申し上げる段階にないとしか答えられなかったようです。一方、高等教育の無償化に対し、立憲は一部の人だけが対象だから反対だと、まずは低所得者世帯を対象としていることが気に入らなかったようです。
共産党については、かつて行われた衆議院予算委員会で、高等教育を受けようと志す若者には、無償で教育を受ける権利を保障するのが世界の常識と訴えていたようですが、言っていることとやっていることがまるで違うと、ある新聞に掲載をされておりました。
次に、民地から区道にはみ出た樹木の管理についてお伺いをいたします。
私は、初当選以来、多くの区民の方より様々なご相談をいただいておりますが、そのご相談の中で、最近多くなっている事柄があります。それは、個人所有の樹木が育ち、大きくなり、その樹木の枝等が区道にはみ出し、時には区道の通行の妨げになっているとのご相談をいただきます。
タブレット端末をご覧ください。公明党の真骨頂であります「調査なくして発言なし」のとおり、このご相談をいただいた案件はすぐに現場を確認させていただいておりますが、確かにご相談のとおり個人所有と思われる樹木が大きく育ち、民地からはみ出し、区道の交通や見通し、そして区道の明るい街路灯の光を妨げております。また、その育ち過ぎた樹木が区道上にある電線を覆いかぶし、電線に悪影響を及ぼしているのではないかと心配です。
これらの樹木は個人の所有物でありますから、あくまでも個人に管理していただくものです。しかし、ご近所からの直接の苦情や区からの再三の通告にも従わず、自主的な対策を行わない所有者がいるようです。ある程度の期間、その樹木の所有者に働きかけを行い、それでも改善の様子が示されない場合、例えば空家対策のため区が行う行政代執行のように、行政が独自でその木を伐採し、その費用をその所有者に請求できるような仕組みをつくるべきであると私は考えます。
区の見解をお示しください。
◎久保 都市基盤整備部長 樹木が私有地より道路にはみ出し、著しく道路の管理や通行の妨げになっている場合は、区は道路を管理する立場から、所有者に対して口頭や文書によって指導しております。
たび重なる指導にも所有者が従わず、安全上やむを得ないと判断した場合は、道路管理者の権限で強制的に樹木を伐採する場合もございます。
本来、所有者が管理することが原則でございまして、今後もパトロール等を通じて、樹木のはみ出しに対する注意、指導等を行い、安全な道路管理に努めてまいります。
◆勝亦 委員 蒲田駅周辺のまちづくりについて伺います。
JR蒲田駅は大森駅同様、大田区の中心核を担っており、今後増大が予想される国内外の観光客にとっても魅力あるまちづくりを行っていくことが求められております。その上で、JR蒲田駅前の東西口の初動期整備が進んでおり、昨年西口の初動期整備が終わり、路面がフラットな駅前が誕生をいたしました。今後、東口の初動期整備が進む予定となっております。
旧三和銀行の跡地を大田区が購入し、今後ロータリーの形状を大きくし、中央の交通島にはキッチンカーやミニコンサートができる広場の建設が予定されております。
私は、以前所属していた特別委員会で、江戸川区の葛西や一之江にある全自動機械式自転車駐輪場を視察いたしました。また、個人的にも、東神奈川にあります全自動機械式自転車駐輪場を視察し、JR蒲田駅東口の初動期整備には、この全自動機械式自転車駐輪場の導入を求めてまいりました。それが、いよいよ実現の方向に向かっていることについては、高く評価をいたします。
この全自動機械式自転車駐輪場の話をまちの方にすると、大きな反響があります。詳しい料金体系などこれからだと思いますが、低額のカード発行料金や入庫後最初の2時間は無料にするなど、負担軽減の仕組みはどのように考えておりますか。お伺いをいたします。
◎久保 都市基盤整備部長 区には、買い物等の目的の利用者の駐車空間確保の方策として、短時間無料制度を導入している駅周辺の自転車等駐車場もございます。
近年開設しました大森町、梅屋敷、京急蒲田、雑色、糀谷の各駅などの自転車等駐車場では、2時間無料制を導入しております。
蒲田駅東口の自転車等駐車場の計画においては、駅周辺の放置自転車の状況や利用率の平準化、建設、運営コスト、社会環境の変化などを十分勘案した上で、駐車場利用の促進を図る料金体系を検討してまいります。
◆勝亦 委員 この全自動機械式自転車駐輪場は、収納台数2,800台であり、この施設完成の暁には、今ある臨時の駐輪場は一部残し、その大半は撤去されると伺っています。その臨時駐輪場の一部が呑川沿いにあります。この呑川沿いは、桜の咲く時期になると多くの方が訪れ、桜を観賞され、写真におさめられている姿をたくさん拝見いたします。JR蒲田駅東口の全自動機械式自転車駐輪場完成時には、呑川沿いの臨時駐輪場は使用を中止し、桜をさらに植樹し、川と桜というと中目黒が有名でありますけれども、中目黒に負けないぐらいの見事な桜が咲く観光スポットにすべきであると考えますが、区の見解をお示しください。
◎久保 都市基盤整備部長 呑川沿いの暫定自転車駐車場は、蒲田駅周辺地区のグランドデザインに位置づけられている「人でにぎわう回遊路づくり」のアクションプランに基づき、全自動機械式自転車駐輪場が完成した際に廃止を予定しているところでございます。
現在、呑川沿いに28本の桜が植えられており、4月には多くの区民の皆様が桜を楽しみながら散策をされているところでございます。蒲田駅周辺の呑川沿いにつきましては、地区まちづくり協議会の皆様と、地域の回遊性の確保の視点から検討を進めており、引き続き観光資源として既存の桜を活用するとともに、水と緑の魅力ある空間となるよう検討を重ねてまいります。
さらに、商店街、町会、自治会の各種イベントと連携を図りながら、ハード、ソフトの両面から総合的な魅力あるまちの空間づくりを進めてまいります。
◆勝亦 委員 また、あるときには青の電飾で飾り、青の洞窟を思わせるような装飾をすれば、さらに観光スポットとの位置づけが確立されます。この点も、あわせて要望いたします。
JR蒲田駅東口駅前ロータリーが改修された暁には、現在ある羽田空港行きのシャトルバスの停留場脇に、商店街沿いにあるバスの降車場を移設すると伺っております。地元商店街を歩くとバスの降車場がなくなることで、バスをおり駅に向かう人の動線が変わってしまうことへの不安があります。バスの降車場があることにより、バスをおりた方が商店街を歩き、時には商店に入り、買い物や飲食を楽しむケースが多いと伺いました。これは、まちづくりではなく、やはり商業振興の観点から考えてもいかがなものかと考えます。もし、どうしてもJR蒲田駅ロータリーにバスの降車場をつくりたいのであれば、アプリコの前にあるバスの降車場を廃止し、駅前ロータリーに移設すべきです。
降車場の移設の理由を全自動機械式自転車駐輪場への入り口をつくるためとしておりますが、そうであれば入り口を移動すべきです。
再度になりますが、商店街の方々が不安に感じるのは当たり前です。この動線変更は商業振興の観点からも看過できません。まちづくりの観点も含め、区の見解をお示しください。
◎青木 都市開発担当部長 蒲田東口駅前広場の初動期整備を行うことで、歩行者環境の改善のほか、バス停の駅前集約によって交通結節点機能が強化され、利便性がさらに向上することで、多くの人々が集まる安全・安心な駅になると考えております。
区といたしましては、駅前ロータリーでバスを乗り降りされる利用客の皆様も含め、駅周辺を訪れる方々が蒲田駅周辺の商店街でお買い物や飲食を楽しんでいただくことが肝要と考えております。
今後も、大田区商店街連合会及び地元商店街と連携し、商店街の魅力の発掘、発信やにぎわいの創出を行うなど、商店街を訪れ、回遊する方々の増加につながる取り組みを強化し、動線変更への不安の解消に努めてまいります。
委員ご提案のアプリコ前のバス降車場の移設につきましては、今後、中長期の整備の中で検討してまいります。
◆勝亦 委員 JR蒲田駅東西口は交通が分断されていると、多くの方からお話を伺います。確かに自転車などで東西を横断するとき、現在は、呑川沿いの通路や環状8号線の蒲田陸橋を横断するしかありません。
区ではこの状況を解決するため、どのように考えておりますか。私は、この自由通路の課題解決に向け、駅ビルの建て替えの必要性を感じます。JR側に建て替えの要望をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎青木 都市開発担当部長 蒲田駅は、南北をつなぐ東海道軸と東西をつなぐ新空港線軸が交差する交通の要所であり、大田区の中心拠点であるとともに、東京圏においても重要な拠点駅でございます。
蒲田駅の乗降客数は年々増加しており、現在の東西通路はクランクしていることから、朝夕のラッシュ時は非常に混雑しております。区としても東西自由通路の必要性は感じており、JR東日本や東急電鉄などの関係機関との検討を開始しておりますので、引き続き積極的に働きかけを行ってまいります。
今後も、駅舎・駅ビルはもちろんのこと、東西駅前広場の拡張や新空港線など、周辺の基盤施設を一体的に捉えた多角的な中長期検討を行い、効率的で利便性の高い蒲田駅を目指してまいります。
◆勝亦 委員 以上、様々な質問と要望をさせていただきました。全て区民の声でありますので、ぜひよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
◆田村 委員 大田区議会公明党、田村英樹でございます。
最初に、防災関連について伺ってまいります。先ほど長野委員の質疑にもありました備蓄についてでございます。
大田区は、災害時における支援物資の受け入れ体制の充実を図ることを目的に、京浜島の防災機材センター敷地内に大田区京浜島地区備蓄倉庫を設置しました。現在懸念されている首都直下型地震や近年被害が拡大している風水害に対する備えとして、こうした備蓄拠点の整備は自治体として大変重要であると思います。
いざ、大規模な自然災害が発災した場合、国内はもとより、世界中から人的、物的支援が供給されますが、まさに空路、水路、陸路の物流手段が集中するこの大田区においては、日常備蓄にプラスされる様々なストックを、より効率よく収納していくことが課題であると思います。
国は、2011年の東日本大震災の混乱を教訓とし、熊本地震発災の際には人的・物的支援をプッシュ型に切りかえて実施をしましたが、被災地でのニーズのないものや企業や個人からの膨大な支援物資が供給され、保管スペースや荷おろし、整頓する人員の不足から、支援物資の受け入れを休止する自治体も少なからずあったと報道がありました。こうした状況を鑑みても、今回新築された京浜島地区備蓄倉庫の運用については、より慎重に、より綿密な計画を立てていく必要があると考えます。
そこで、大田区地域防災計画におけるこの京浜島地区備蓄倉庫の位置づけと、区内に既に配置されている防災備蓄倉庫との相違、並びに運用面での概要をお伺いいたします。
◎井上 危機管理室長 京浜島地区備蓄倉庫は、他の備蓄倉庫と同様に食料など物資を備蓄する役割に加えまして、災害が発生し、区が被災した場合には、国、東京都などから救援物資を受け入れる拠点としての役割も有しております。
また、区内39か所に設置している他の地区備蓄倉庫は、福祉避難所や補完避難所、帰宅困難者一時滞在施設を開設するための物資を備蓄する役割があります。
京浜島地区備蓄倉庫の運用につきましては、搬出入口を5か所設置することにより、10トンクラスのトラックが複数台同時に荷物を積みおろすことができ、効率的な搬出入を可能としております。また、倉庫内の備蓄方法につきましても、東松島市等被災地のノウハウを生かし、発災時に迅速な物品の移動ができるよう体制づくりを進めているところです。
◆田村 委員 熊本地震や昨年の西日本豪雨災害などを通し、被災地に送られてくる支援物資の余剰について防災の専門家からは、被災地に押し寄せる大量の救援物資は第2の災害との声もあるようです。震災初期にはなかなか把握が難しい区内各避難所のニーズですが、経過とともに多くなってくる被災住民の声にどのように対応していくのか、限りある行政職員のマンパワーでは到底対応はできません。
大田区地域防災計画では、平成29年3月31日現在で、延べ127協定、220団体との災害協定が締結されていると記されています。多くの外部人材との協働によって、専門的な分野での支援体制が構築されていくことに大きく期待をするところであります。
そこで、京浜島地区備蓄倉庫を拠点として区内各避難所のニーズを集約するための情報連携や、その支援物資を円滑に分配するための災害協定に基づいた行動計画の策定について、本区の取り組みをお伺いいたします。
◎井上 危機管理室長 まず、情報連携についてですが、災害時、特別出張所においては、管内の避難所からの救援物資の支援要請を集約いたします。災害時情報共有システムを活用して、災害対策本部に伝達をいたします。支援要請を受けた本部は物資配送計画を作成し、京浜島地区備蓄倉庫へ伝えます。その上で、必要な物資を避難所などへ配送する計画となっております。
次に、災害協定に基づいた行動についてですが、区では、平時から災対各部が関係団体と協定に基づき、災害時に活動ができるよう確認をしております。災害時の物資輸送につきましては、災対総務部が中心となり、トラック協会などの協定団体や区内物流事業者と活動の具体化や訓練実施に向けて打ち合わせを重ねており、より実効性のある物資輸送の計画を策定してまいります。
◆田村 委員 災害協定に基づいた行動計画については、平成28年9月の決算特別委員会でも取り上げ、東京都トラック協会大田支部との連携を例に、物流関係の相互協力体制などを伺いました。さきの東日本大震災のときにあったように、通信手段が遮断された状況においても大田区からの指示を待たずしてできる行動計画をつくることが、災害協定をより具体的、有効的にするために重要であると申し上げました。
そこで、区が締結している災害協定に基づき、行動計画の策定から具体的な災害想定訓練の実施、また、実際に区民が参加して行った訓練事例、一方で、まだ協議段階でとどまっている事例についてお伺いいたします。
◎井上 危機管理室長 災害協定団体との訓練といたしましては、医師会、薬剤師会との災害時の医療救護活動についての協定に基づく緊急医療救護所等の開設、運営訓練を実施しております。地域の方たちや東京工科大学の学生も、傷病者役などとして参加しております。
さらには、池上長寿園との災害応急活動に対する協力に関する協定に基づく福祉避難所の開設図上訓練、東京都石油商業組合大田支部との石油燃料の安定供給等に関する協定に基づく給油訓練、大田区社会福祉協議会及び地域パートナーシップ支援センターとの災害時におけるボランティア活動等に関する協定に基づく災害時ボランティアセンター設置、また、運営訓練を実施してまいりました。
現在、協議を重ねている事例といたしましては、トラック協会と災害時の物資輸送計画の策定と、計画の検証のための訓練について検討を進めているところです。
◆田村 委員 引き続き、大田区と各団体との協議の中で見えた課題をしっかり検証し、対策の拡充をより一層進めていただきたいと要望いたします。
防災関連の最後に、本区における感震ブレーカーの普及について、改めて確認をさせていただきます。
今回、議会事務局を通して、都内23区における感震ブレーカーの助成事業の動向について調査を行いました。その結果、23区中、木密市街地に視点をおいた防災関連事業として推進している区が9区、避難行動要支援者名簿に登録されている方などを対象とした、いわゆる福祉的要素の視点に置いて推進している区が3区、そのほか11区については、本区のように防災用品あっせん販売で啓発はしている区もあるが、具体的な助成事業までは至っていないとのことでありました。予算規模では、おおむね100万円から300万円の幅で推移している一方、荒川区では3,400万円余、品川区では1,300万円余と多くの予算を計上している区もあるなど、それぞれ取り組み内容の違いを確認することができました。
私も、これまで感震ブレーカーを広く区民に啓発するために、防災用品あっせん販売への導入や、木密地域でのモデル設置など強く要望してまいりました。改めて復電火災に対する区の認識と、これまでの取り組みについてお伺いいたします。
◎井上 危機管理室長 東京電力からは、停電の復旧に際しては、電気事業者が当該エリアにある住宅を戸別訪問し、該当する全ての住宅の安全確認をした上で通電を復旧するとしていると説明を受けております。
また、高齢者や障がい者のみの世帯など、配慮を必要とするご家庭に向け、万全を期するため感震ブレーカーの設置を啓発していると聞いております。
区といたしましては、これまでも通電時の火災予防の一環として防災用品あっせん事業で自助の取り組みを進めているところです。
◆田村 委員 これまでは、木造家屋密集地域における延焼火災を抑止するためという視点から、この感震ブレーカーの意義を捉えておりましたが、一方で、福祉的な視点から考察してみると、例えば現在地域で行っている災害時要配慮者見守り事業の延長に位置するツールとして捉えることもできるのではないでしょうか。
そこで、福祉的な視点から要配慮者対策の一環として助成制度を創設し、感震ブレーカーが普及することで、地域や消防、区との連携を可能とする一つのツールになるのではないかと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
◎井上 危機管理室長 高齢者や障がい者などの災害時要配慮者対策として感震ブレーカーを設置することは、地域、消防、区が連携して要配慮者見守りのためのツールとして効果が高いものと認識しております。
一般住宅の分電盤の多くが壁面の高い位置に設置されているため、災害発生後の復電の際に、高齢者や障がい者の方のみではブレーカーの操作をすることが困難です。支援者などが復電操作とともに見回りを行うことは、災害時の安否確認にもつながるものと考えます。
委員お話しの災害時要援護者の支援の一つとしての感震ブレーカーの取りつけ助成につきましては、今後検討してまいります。
◆田村 委員 引き続き、区民の生命と財産を守るための様々な制度の拡充をよろしくお願いいたします。
次に、大田区立小中学校における教育環境について伺います。
これまで本区が、車椅子利用者に向け取り組んできた防災訓練や避難訓練への参加促進にどのようなものがあったのか教えてください。
◎今岡 福祉部長 障がいのある方をはじめ災害時に支援を要する方々が、災害時に備えて防災訓練などに参加することは大変重要です。車椅子利用者等、障がいのある方のための防災活動については、区が設置している大田区自立支援協議会において、様々な取り組みを行っております。
災害時に備えたヘルプカードの普及啓発や、要支援者のことを広く区民にご理解いただくために、自立支援協議会の身体に障がいのある方を含むメンバーが、毎年、総合防災訓練に参加しております。
さらに、昨年度からは、自治会・町会ごとに実施されている防災訓練にも、参加の範囲を広げております。こうした取り組みは、車椅子利用の方をはじめ、視覚や聴覚に障がいのある方や知的障がい者のご家族と地域の方々が防災についてともに考え、交流を深める場となっております。
また、既に地域の防災訓練に参加している障がい者施設もあり、施設利用者にとっては、避難の方法や地域の避難場所等を確認できる大切な機会となっています。しかし、障がいのある方々の中には、まだ地域の防災訓練に参加しづらいという声もあります。今後も、様々な形で地域との連携を深め、支援を要する方々が、災害等から自らを守ることができ、安全・安心に暮らしていけるよう、引き続き取り組んでまいります。
◆三沢 委員 これまでも様々な取り組みをされてきたことがわかりました。しかし、まだまだできることは、多くあるように感じております。
私が注目しているのが、けん引式車椅子補助装置です。通常の車椅子の押すという機能に加えて、前輪を浮かして引くという機能を加えることによって、坂道はもちろん、段差や雪道、砂利道、ぬかるみなど、押すだけでは移動困難な悪路でも簡単に移動できるようになります。実際に災害が起こった場合、避難する道中は、平たんな道ではないかもしれません。医療行為を受けるためには、遠く離れた医療救護所まで悪路を進む必要があるかもしれません。大規模な延焼火災がおさまるまでは、舗装されていない多摩川河川敷や平和島、池上本門寺などの避難場所に逃げる必要が生じるかもしれません。このようなときを想定し、防災訓練や避難訓練で、けん引式車椅子補助装置を試すことは、とても有意義なことだと考えております。
また、車椅子は、自治会・町会で貸し出し用に保有しているところがございます。私の所属する自治会でも、車椅子を保有しています。もし、このけん引式車椅子補助装置が備品にあれば、貸し出し用車椅子をけが人搬送に有効活用することもできるようになります。けん引式車椅子補助装置について、本区でも有用性について検討をしてくださることを要望いたします。
次に、
プレミアム付商品券事業についてお聞きいたします。今回の補正予算では、低所得者・子育て世帯向けの
プレミアム付商品券事業として、9億400万円余の予算が計上されております。
4年前に実施された
プレミアム付商品券事業のときは、情報格差があったため、事業そのものの存在や利用方法を知らない人や、購入場所や時間が合わずに購入できなかった人がいた一方、一部の人がプレミアム付商品券を大量入手し、高額家電購入に充てたという話も聞こえてきました。
今回は、このようなことを再発させないために、情報格差をなくす必要がありますが、本区としてどのような取り組みを予定していますでしょうか。
◎飯嶋 産業経済部長 4年前の
プレミアム付商品券事業は、区内在住、在勤の皆様を対象として、幅広く販売をいたしました。しかし、今回のプレミアム付商品券は、国の事業として実施するもので、対象者と取得冊数が限定をされております。そのため、区において、対象者の抽出作業等の所要の手続を経た後、対象者の皆様へは、区から直接郵送でお知らせをしてまいります。商品券引換券をお持ちの方は、販売期間中いつでも商品券をお買い求めいただけます。
重ねて、区報、まち中のポスター、チラシ、区ホームページなどでもご案内をすることで、確実に商品券を購入していただけるよう丁寧な周知を行い、等しく情報が行き届くよう努めてまいります。
◆三沢 委員 今回の事業は、今お話もありましたけども、住民税非課税世帯と消費税増税時期に9月時点で3歳半までの子どもがいる家庭が対象となる、一部の方の対象という形になりますが、この二つの条件を両方満たしていれば、両方の分を購入可能と聞いております。また、3歳半までの子どもが複数いれば、人数分購入可能とも聞いております。対象者にきちんと制度をご理解いただくことが肝要ですが、今回の本区の対応方法について教えてください。
◎飯嶋 産業経済部長 今回のプレミアム付商品券は、委員お話しのとおり、基準日に住民税非課税者で、かつ3歳半までの子が属する世帯主は重複して購入することができます。また、3歳半までの子が複数いらっしゃる場合、その人数分の購入ができる制度となっております。このほかにも、個別の事案により例外的なケースがございますので、制度の周知徹底を図るとともに、個別のお問い合わせにも対応できる体制を整えることが必要と考えております。
このため区では、現在、産業経済部のほか、企画経営部、区民部、福祉部、こども家庭部等関係部局間での緊密な連携のもと、対象者の規定に関する情報を共有しながら対象者を把握する準備を進め、個別対応が可能な体制を整えているところでございます。
今後、区報等を通じまして、制度の周知の徹底を図るとともに、区民のお問い合わせ等に個別具体的に対応できる体制を整備し、対象者が間違いなく商品券を購入できるよう、ご案内をしてまいります。
◆三沢 委員 ちなみに、プレミアム付商品券は、生活保護被保護者や外国人にも提供されるものなのでしょうか。
◎飯嶋 産業経済部長 基準日となります平成31年1月1日時点において、生活保護の被保護者となっている方は、プレミアム付商品券の購入対象とはなりません。これは、国は生活保護制度におきまして、生活扶助分を含み最低生活費を計算した上で、保護を実施しているところから、購入対象外としているものでございます。
外国人の方につきましては、基準日となる平成31年1月1日時点で住民基本台帳に記録されている方であれば対象となります。
◆三沢 委員 ただ、生活保護世帯の方であっても、お子さんが3歳半未満の方とかがいらしたりすると、また対象となったりするとも聞いておりますので、なかなか制度が複雑な部分を感じております。必要な方にちゃんと情報が届くように、また情報格差が起こらないように対応をよろしくお願いいたします。
本事業に係る事業費約6億円に対して、事務費は約3億円ということで、事業予算に係る事務費割合が高いように感じております。本事業は、国が全額負担するとはいえ、少しでも事業費の割合を高める努力が求められるところですが、本区として取り組んだことがあれば、教えてください。
◎飯嶋 産業経済部長 今回の
プレミアム付商品券事業は、前回の消費税率引き上げ時に国が実施をいたしました臨時福祉給付金に、既存のプレミアム付商品券を組み合わせた制度設計となっております。臨時福祉給付金と同様、対象者は限定されているため、課税等基礎データから対象者を抽出するシステム構築のほか、対象者への申請書等の送付、返送確認作業が必要となり、過去の事業経費をもとに算出をさせていただいたところでございます。今回はこれらに加え、商品券発行に伴う印刷等の諸経費のほか、区内郵便局での販売に係る事務手数料等も新たに計上をいたしました。
区といたしまして、補正予算案の議決をいただけましたら、委託内容を精査し、前回のシステム構築等を応用するなど経費の削減を図るとともに、事業の実施が区内企業の受注にもつながるよう努めてまいります。
◆三沢 委員 私は、システム構築や印刷や手数料に係る事務費が多くかかるプレミアム付商品券は、本当に小さい子どもを育てるご家庭等に有用なのか、いささか疑問を持っております。しかし、やるからには広く活用いただきたいと思っております。すぐに転売されて、金券ショップばかりもうかるということのないように、しっかり対策することを期待しております。
最後に、羽田空港のさらなる競争力強化に向けて、一つ要望をさせていただきます。
2019年3月5日、私は予算特別委員会の款別質疑で、羽田空港国際線枠増便に伴う大田区の対応について質問をいたしました。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年夏ダイヤまでに、羽田空港国際線は1日当たり50枠の増便が予定されており、そのうち半数近い24枠が米国路線に充てられようとしております。
この機会を最大限に生かすべく、大田区は乗り継ぎ客へのおもてなしを通じて、活性化につなげるべきだとお訴えをさせていただきました。この乗り継ぎ客需要の恩恵に、大田区、東京、そして東日本があずかるためには、羽田空港が仁川、上海、香港に負けない、アジアからアメリカへの乗りかえハブとして機能することが非常に重要になってまいります。
その具体策の一つが、現在、カナダ、アイルランド、アブダビなどで行われている米国入国審査場の羽田空港への誘致です。カナダやアイルランドでは、米国線搭乗前に米国入国審査を終えてしまいます。米国では、飛行機は米国国内線ターミナルに到着するため、乗り継ぎが楽になり、荷物は直行し、かつあの長い米国の空港の入国審査に並ばなくてよくなります。
これを実現するためには、米国行きが一つのターミナルに固まっていることが必要です。その点で、成田空港は何度も国交省や航空会社が検討してきましたが、構造上難しいという結論に至っているようです。
一方、羽田空港は国際線が一つのターミナルに固まっています。全日空が国内線第2ターミナルからも国際線を東京オリンピック・パラリンピック前にスタートをさせますが、ここはアジア線で固めるようです。これは日本国内から羽田で乗りかえ、アジアに向かうニーズが高いからです。となれば、東京オリンピック・パラリンピック前にというかけ声のもと、羽田空港国際線ターミナル改め、第3ターミナルに米国入国審査場をつくることができれば、アジアからアメリカへの移動の際に、日本で入国審査ができるようになります。
当然、大田区にも新規雇用が増え、乗りかえ客用ホテルや空港への送迎バス、観光地めぐり事業が発生します。そんな送迎バスなんかに乗らず、電車で都心に出てしまうよという意見もよく聞きますが、乗り継ぎ時間が都心に出られるほどに長いと、そもそも空港として競争力がありません。航空会社は、香港や上海に勝つために、乗り継ぎ時間を5時間以内におさめます。その結果、大田区内をぐるぐる回る程度しかできなくなるのです。穴守稲荷や池上本門寺が、成田山新勝寺に勝てる観光スポットになるチャンスでもあります。また、新たに観光スポットをつくるのも有意義かもしれません。
東京都は、今月10日、イチゴの新しい品種、東京おひさまベリーが農林水産省に品種登録されたことを明らかにしました。この東京おひさまベリーは、従来種と比べて糖度が高くて、大きさも1.4倍だそうです。日本人だけでなく、海外でも非常に人気のあるイチゴ、羽田や臨海部の土地を有効活用してイチゴ狩りができれば、人気のスポットになるかもしれません。
少し話が脱線しましたが、今回の24枠増で、羽田はそんなに米国線が飛んでいないから、入国審査場をつくるメリットに乏しいという言いわけも通じなくなります。ぜひ大田区から東京都や国、さらには米国国土安全省に対して、羽田空港への米国入国審査場の誘致、働きかけをお願いいたします。
名実ともに国際都市おおたを国内外に認知してもらうための一つの手段として、前向きに進めていただくことを期待いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
○松原〔秀〕 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。
午後 2時29分休憩
午後 3時00分再開
○松原〔秀〕 委員長 ただいまから、令和元年第33号議案に関する連合審査会を再開いたします。
それでは、休憩前に引き続き、質疑を行います。
立憲、質疑願います。
◆庄嶋 委員 立憲民主党大田区議団の庄嶋孝広です。初当選組ではトップバッターを務めさせていただきます。
4月の大田区議会議員選挙におきまして、立憲民主党で公認で当選しました、平野春望、小川あずさ、そして私の3人で会派を結成いたしました。3人とも初当選ということで、いかにも初心者という言動もあるかと思いますけれども、むしろ初心者であることを強みにして頑張ってまいりたいと思います。
立憲民主党はボトムアップの政治、つまり積み上げ型の政治を掲げております。区民の声を積み上げて区政に反映していけるよう活動してまいりたいと思いますので、各会派の皆様、理事者の皆様、よろしくお願いいたします。
さて、私からは、大田区基本計画について質疑を行わせていただきます。大田区基本計画であったおおた未来プラン10年は、計画期間がこの3月末、平成30年度末で満了し、新たな基本計画はこれから策定することになっています。つまり令和元年度である現在は、有効な計画期間の基本計画がない状態ということになります。私は、議員になる以前に、コンサルタントとして多くの地方自治体の基本計画づくりにも携わってまいりましたが、通常は、計画期間が終わる前に次の計画策定を行い、前の計画が終わると同時に新たな計画が始まることで、切れ目のない状態にすると思います。
そこで伺います。過去の議会で説明があったのかもしれませんが、なぜ基本計画の空白期間が生じたのかという経緯を、新議員という立場で改めて伺い、あわせて空白期間があることで、区政や区民にとって不都合はないのか伺います。
◎市野 企画経営部長 区は、平成20年10月に大田区基本構想を策定し、20年後の目指すべき将来像を掲げ、その実現に向けて着実に取り組みを進めてまいりました。委員お話しの大田区10か年基本計画、おおた未来プラン10年は、基本構想が掲げる将来像の実現に向けて、施策展開の方向性を総合的かつ体系的に示したものでございます。
令和元年度は、大田区基本構想の計画期間の折り返し地点であることから、前半10年を計画期間といたしましたおおた未来プラン10年の検証を十分に行うとともに、その総括を次期基本計画の策定に生かすことが大変重要であると考えてございます。
また、基本計画の成果を確実なものとし、新たな行政需要にも的確に対応するために、大田区実施計画を平成29年度から今年度までの3か年の計画として、具体的な取り組みを財政の裏づけとともに集約し、策定してございます。
あわせて、令和元年から令和2年度を計画期間といたします(仮称)緊急2か年計画を策定することで、計画的な行政運営を担保したいと考えてございます。時期を捉えた施策の展開を切れ目なく講じ、地域力と国際都市を区政の柱に据えながら、大田区基本構想に掲げる将来像「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおた」を実現してまいります。
◆庄嶋 委員 基本計画の空白期間があるということについての説明としては、今のご説明を公式の説明として受けとめたいと思います。
一方で、先ほどの質問の中に入れておりました、区民にとって不都合な点があるのかという点について少し足りなかったかなとは思うのですが、今日のところは、先ほどの説明で受けとめたいと思います。
このような質疑をしているのには理由がございます。私は、先ほど申し上げましたようにコンサルタントをやっておったのですが、その傍ら、平成23年度から30年度末までの8年間、地域力推進部の非常勤職員、地域力連携協働支援員の職務にもついておりました。区職員として仕事をする際、常に立ち返っていたのが、おおた未来プラン10年、つまり基本計画でした。担当する事業の狙いとするところは何なのか、未来プランを読み解くことで考え、事業の具体的な内容や進め方を立案、実行してきました。この経験から、基本計画がないことで、現場の職員がよりよく仕事に取り組む上で不都合が出ることのないような運用をお願いしたいと思います。
また、私は、PTAやおやじの会、青少対や青少年委員、町会やNPOなどで地域活動にも取り組んでまいりました。区民、地域の立場で区の事業を理解する際にも、土台となってきたのが基本計画でした。まさにボトムアップ、積み上げ型で区政を進めていく上で、区民と区政の共通の土台になるのが基本計画だということを、改めてお伝えしておきたいと思います。
午前中の質疑への答弁にもあったことなのですが、確認のために伺います。これから策定する新たな大田区基本計画の計画期間は、いつからいつまでになりますでしょうか。
◎市野 企画経営部長 新たに策定いたします大田区基本計画は、これまでの取り組みの成果をしっかり検証し、2040年を見据えて、令和元年度から2年度までの2年間をかけて策定する予定でございます。
また、計画期間につきましては、大田区基本構想の目標年次を踏まえ、令和3年度から令和10年度までの8年間の計画期間とする予定でございます。
◆庄嶋 委員 計画期間については、今のご説明でわかりました。
では、ここで少し話題を変えまして、同じ基本計画についてのことなのですが、その策定への区民参加という観点について伺いたいと思います。
現在、新たな基本計画の策定に向けて、大田区基本計画の策定に関する支援業務委託の事業者を選定中かと思います。大田区ホームページでも見られる業務委託の仕様書(案)には、基本計画の策定体制や区民参加についても記載があります。
策定体制については、次のようにあります。大田区基本計画検討委員会、(以下、検討委員会という。学識経験者、区議会議員、区民団体等の20名程度で構成。)とあります。また、区民参加については、広く区民から意見やアイデア等を収集するため、区民参加の意見交換会やワークショップ、区民意見募集用リーフレットの活用等の区民参画手法とあります。
そこで伺います。おおた未来プラン10年を策定する際の大田区基本構想審議会、また、おおた未来プラン10年(後期)を策定する際のおおた未来プラン(後期)策定懇談会では、区民公募の委員の採用もありました。基本計画の策定において、区民公募の委員を採用することで期待できる効果には、どのようなことがあるとお考えでしょうか。
また、新たな基本計画の策定における検討委員会でも、委員の区民公募を行う予定でしょうか。
◎市野 企画経営部長 区民の価値観や生活様式の多様化に伴い、区民ニーズや地域課題は複雑かつ多様化してございます。こうした社会環境の中で、区民の意見を基本構想や基本計画に的確に反映させるために、区民公募制度を取り入れたことは、区民の区政参画機会の充実とともに、区民の意見を直接聞き、委員全体で意見を共有した上で議論を進めることができるという効果があったものと考えてございます。新たな基本計画の策定に際しましても、より幅広い意見を反映できるよう、今後工夫してまいります。
◆庄嶋 委員 区民公募については、今のご説明でわかりました。また、検討委員会以外の区民参加の手法についても、具体的なところは、これから委託をする事業者の提案も受けながらつめていかれると考えております。
ただ、区民参加の手法を選定するという上では、その手法がどのような属性の区民にとって参加しやすいものかとか、そういったターゲットとなる区民を、あらかじめ意識しておくことが大事だと考えます。
そこで伺います。過去の基本計画の策定の経験や近年の政策課題の動向などを踏まえ、新たな基本計画を策定する上で、従来と比較して、特にどのような属性の区民の参加を期待しているのか、あるいは、どのような属性の区民の声を聞きたいか、教えていただければと思います。
◎市野 企画経営部長 新たな基本計画の策定に際しましては、大田区を構成する区民につきまして、居住地、年齢、性別など多様な立場の区民の方から意見を収集する必要があるものと考えてございます。
このため、意見交換会やワークショップなど様々な参画手法を検討した上で、より幅広い意見を集約し、基本計画に反映してまいりたいと考えてございます。区民の地域社会への関心や行政への参画意欲を高め、区政に生かしていけるよう取り組んでまいります。
◆庄嶋 委員 ぜひ、そういった狙いをしっかり持ちながら、区民参加を進めていただきたいなと思います。
最後に、区民参加に対する私の考えを述べさせていただきます。
私は、大田区の地域社会の特徴は、松原区長のもとで地域力を掲げ、おおた未来プラン10年にもあったように、自治会・町会、団体、NPO、事業者など、様々なコミュニティがしっかりと存在していることだと考えています。年代別に見ても、PTAやおやじの会など子育て世代・現役世代のコミュニティ、学校やリーダー活動などを通じた子どもたちのコミュニティ、生涯学習や健康づくりなど年配者のコミュニティもあります。それらのコミュニティにアプローチして区民参加の機会を設けていくことを、まずはしっかり行っていただきたいと思います。
問題は、それらのコミュニティにつながることができていない区民の声を、どのように把握していくかということです。公募委員や自由参加の意見交換会やワークショップだけでは参加しづらい、あるいは、参加するきっかけになりづらいという区民もいます。特に現役世代、子育て世代は、仕事や子育てに忙しく、会議に参加するのは難しい面もあります。区や区民団体が主催する子育て世代が集まるイベントなどで意見を聴取する機会を設けてはどうでしょうか。
また、私がコンサルタントとして他市で経験した手法に、裁判員制度の影響を受けて始まった無作為抽出型ワークショップがあります。これは住民基本台帳から無作為抽出した住民に案内を出し、ワークショップへの参加を得る方法ですが、それまで行政関係の会議に参加したことのない住民が参加する機会にもなっています。区政にかかわりや関心を持つ区民を委員とする検討委員会で練り上げた案を、無作為抽出による区民ワークショップで見てもらうといった組み合わせができると、より区民感覚を取り入れた基本計画づくりができると考えます。今後も、ボトムアップ、積み上げ型の区政をつくっていく観点から、新たな大田区基本計画の策定過程を、関心を持って見ていきたいと思いますので、担当には、区民参加について研究しながら進めていただければと思います。
以上で、私からの質疑を終わらせていただきます。
◆平野 委員 立憲民主党大田区議団の平野春望でございます。
立憲民主党は、今回新人が3人当選させていただきました。大田区にお住まいの皆様から、新しい風を大田区に吹かせてほしいというご希望があっての結果だと思っております。多くのご負託を受け、まさに身の引き締まる思いでございます。しっかりと頑張ってまいりたいと思います。
私の前職は、発達障がいの子どもたちの施設で園長をしておりました。実際に現場で子どもたちへの療育、この療育というのは、発達障がいのある子どもの発達を促し、そして自立して生活ができるように援助することを言います。この療育をする中で、現場でフォローし切れない制度面や行政の面から、そういった発達障がいの子どもたち、そして大人たち、そして障がいを持った人々や様々な困難を抱えている人たち、社会的に弱い立場の人たちが住みやすい大田区になるように取り組んでいきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、私からは、発達障がいについて質問をさせていただきます。厚生労働省が調査した在宅の障がい児の生活実態とニーズの把握を目的とした平成28年生活のしづらさに関する調査によると、医師から発達障がいと診断された人は、全国に約48万1,000人いると推計されています。
また、文部科学省が2012年に調べた調査では、公立小中学校の通常学級に在籍する児童や生徒のうち、6.5%が発達障がいの可能性があるというデータがあります。1クラスにつき2人から3人の割合です。この調査は特別支援学級や学校の児童や生徒は入っていないので、実際はもっと発達障がいに悩んだり、苦しんだりしている子どもは多いということになります。
そういった増加傾向にある発達障がいに苦しむ大田区の人々の人数について、現状をお聞かせください。
◎今岡 福祉部長 発達障がい児者の支援につきましては、障がい者総合サポートセンターや各関係機関等で実施をしておりますが、児童・生徒並びに成人の正確な人数については、把握することが難しい状況です。
学齢期前のお子さんの支援を行っている区立施設である、こども発達センターわかばの家においては、初回面接を含む相談の件数は、平成27年度は1,268件であったところ、平成29年度には1,305件と増加傾向が続いております。
また、児童発達支援事業の利用児童数は、平成27年度には延べ3,958人でしたが、平成29年度には延べ5,149人と、こちらも増加しております。
◆平野 委員 現状のデータの把握は難しいと思うのですが、今後の施策の基礎となると思いますので、引き続き、現状の把握に努めていただければと思います。
次にですが、私が地域を回っておりますと、発達障がいの未就学児に、こども発達センターの、今お話のあったわかばの家があり、発達障がい児のフォローができているという話は聞きますが、小学校に上がり学齢期になると、学校以外では支援が途切れるという話を聞きます。それに関しては、いかがでしょうか。現状の取り組みをお聞かせいただければと思います。
◎青木 障がい者総合サポートセンター所長 今、お話にありましたように、こども発達センターわかばの家におきまして、就学前の発達障がい児の支援を大田区では行ってございます。利用者が就学する際には、就学支援シートを活用しながら、支援が途切れないよう学校とも連携をしているところでございます。
一方、本年3月に障がい者総合サポートセンターB棟を開設、学齢期の発達障がい児支援などを行う、新たな支援を行う体制を構築いたしました。発達障がいの相談、診察、療育、放課後等デイサービス、地域支援事業等を実施してまいります。まずは学校との連携を密にするという観点もあり、小学校のサポートルームを利用している児童を対象として、保護者の皆様へ情報提供を行い、診察の受け付けを開始、今後の療育等につなげてまいります。
今後も教育委員会・学校をはじめ、健康政策部と関係機関との連携を図りながら、未就学児から学齢期まで切れ目のない支援を実施してまいります。
◆平野 委員 サポートルーム以外のお子様も、ぜひ今後、支援の拡大ということでお願いしたいと思いますので、今後、障がい者総合サポートセンターのB棟の開設で学校との連携を密にしていかれると思います。引き続き、その経過を見守りたいと思います。
次にですが、お隣の川崎市では、わかばの家と同じような施設である南部療育センターが、未就学児も就学児も情報を共有して、切れ目がない発達障がい児へのフォローをしていると聞いております。その中で、ケースワーカーが核となって子どもの情報共有をすることによって、より適切な支援が受けられる、不安が解消できるという話を保護者の方から聞いております。大田区では、相談支援、療育プランをつくるケースワーカーが少ないというお話も聞きますが、実態はどうでしょうか。また、今後、ケースワーカーを増やす、相談支援を充実させるような予定はありますでしょうか。
◎今岡 福祉部長 障がいのあるお子さんが地域で安定した生活を送ることができるようにするため、心身の状況や環境、保護者の意向等を踏まえた障害児支援利用計画案、いわゆるケアプランの作成が必要です。大田区では、現在、こども発達センターわかばの家を含め、14か所の相談支援事業所で実施をしており、平成27年度末に比べ、8か所増えております。
区の窓口では、特に困難な課題を抱えたお子さんに関する相談を受けた場合には、こうした専門性を有した事業者へつなぐなど、きめ細やかな対応を行っております。さらに、それぞれの事業所での相談を、お子さん一人ひとりのニーズに適した支援に結びつけるためには、相談に従事する相談支援専門員の質を高めていくことが、極めて重要です。
障がい者総合サポートセンターでは、区の基幹相談支援センターとして、関係機関に向けての研修など、区内事業者と連携しながら、相談支援体制のネットワークの構築を進めております。
障がい者総合サポートセンターでの学齢期の発達支援事業を開始したこととあわせ、今後も、発達障がいのお子さんやご家族に寄り添った切れ目のない相談支援体制を充実してまいります。
◆平野 委員 引き続き、今のお話あったとおり、必要な保護者の方への相談支援が受けられて、子育てや療育に対す不安が解消できるように、この制度の充実を要望して、次の質問に移りたいと思います。
先日、ある区民の方から相談を受けましたが、知的障がいや精神障がいの人は就労できる場所はあるが、発達障がいの人が就労できる場所が少ないというお話を受けました。50社以上受けても一つも受からない、また、受かっても長続きしないというお話も聞いております。
大田区の障がい者総合サポートセンターで行っている新規の就業相談数の発達障がいの方の推移も、平成27年度は9人、28年度は20人、29年度は34人と年々増加傾向にあります。そういった発達障がいの方々に就労支援をする場や機会を増やす、また就労が継続できるようにフォローアップをするようなお考えはありますでしょうか。
◎青木 障がい者総合サポートセンター所長 大田区では、障がい者総合サポートセンターが障がい者就労支援センターの役割を担っており、障がいのある方の就労に関する各種支援を行っております。
区では、昭和50年代、障がい者の就労促進に向けての会議体を立ち上げ、また昭和58年から現在まで、毎年就労者激励会を行うなど、障がい者就労に力を入れてまいりました。